放射線療法について
がん細胞の増殖抑制や死滅を目的として、高エネルギーの放射線をがん細胞に照射する療法です。痛みや副作用が少ないという特徴があり、乳がん手術後に行うことで再発率を下げる効果が見込めます。また、再発や転移に対する治療として放射線療法が行われることもあります。
放射線治療の一般的なスケジュールは、1日1回、1~2分程度の放射線照射を、約20回から25回毎日行います。外来通院で受けることができます。
照射範囲を限定するため重篤な副作用が出ることは極めてまれです。現れる可能性がある副作用には、皮膚炎、倦怠感、放射線性肺炎などがありますが、ほとんどは軽度です。
術後の放射線療法について
乳がん手術では、がんをできる限り取り除きますが、発見できないほどわずかながん細胞が残って局所再発する可能性があるため、再発を予防する目的で術後に再発リスクが高い場所へ放射線照射を行います。乳房温存手術では原則的に必ず行います。術後の放射線療法を行うことで、乳房内のがん再発率を約3分の1に抑えることができるとされています。
なお、乳房切除術の場合にも、再発のリスクが高い場合は術後の放射線療法を行うことがあります。